作品『潮のおと』あとがき



この物語は、やわらかい方言の雰囲気を、使って、書いてみたくて 書いたものです。その割に内容は全然やわらかくないですが……。

しかもまたまた、「訳あり男」と少女のカップリング。ええ、 これで3作目のような気が。芸のない事甚だしいです。

こちらもまた相変わらず、テーマのひとつは「愛と暴力」。 萩尾望都の言葉、「人は愛も暴力も学ぶ」「愛と暴力は同じもの」 このふたつが自分の中にこんなにも深くに根差している事に、 自分自身、何故なんだろうと不思議で、仕様のない程です。

「愛と暴力は同じもの」という言い回しは、混乱を招きがち ですが、今回はこれを母親の盲愛という形で表現してみました。 勿論これは私なりの独自の解釈です。


場所のモデルは特にありません。 高校のモデルは一応あるのですが、伏せておきます。

煙草の銘柄は、キャメルです。 実際に、Camelというバンドが、「Mirage」という作品で、その ジャケットに、煙草のデザインをそのまま用いています。 吸った覚えはあるような・・・とりあえず不味かったような(笑) Mirage の方は、聴き倒しましたが。


どうしてもこの物語は12R指定にしたくなかったのです…… だって、このような思いは、何も中学生以上に限った事ではない と思うから。こんな辺境に小学生が来るかどうかはともかく。

それでも不適切と言われればそうであるには違いないんでしょう。 読者の捉え方によっては、特にその色を濃くする場合があるでしょう。 諦観して、前書きを添える事にしましたが、なかなか境地に達せず、 12Rの文字・表現は入れないまま。ほんのささやかな抵抗です。






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