moon in the dusk

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UP 『“連作・修羅” 外伝5・巴』UP(5th.Nov.2022)

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管理人名:moon in the dusk(もしくは「宵月」)




Works' Short-Cut



Yoitsuki-Hiyori

10月4日
神無月。たそがれの国。
入るやいなや、叔父の訃報が届いた。約半年前に旅立った、叔母の弟にあたる、父の、弟にあたる人。要するに父方の人。なのに、母の葬儀には、遠方関東から、駆けつけて下さった。母は生前、この叔父の事を、「○○ちゃんは優しいよ。○○ちゃんの怒ってる処、見た事ない」と、とても好いて、そして頼りにもしていたから、葬儀に参列して下さった事をどんなにか喜んでいただろうと思う。父母の葬儀に参列して下さった方々が、どんどんと旅立たれ、あちらは賑やかかも知れないが、こちらはただもう寂しい限り。歳を取る、という事はこういう事なのだな、涙もろくなるなどと云うが、これでは涙もろくならない方がおかしい、と、腹の底より痛感する。今年は猛暑の所為で、彼岸花の開花がとても遅れていた。お彼岸に咲くから彼岸花、なのに、今頃漸く咲き始め、川沿いを赤く染めている。母の葬儀に来て下さった事への御礼、その後もこちらから季節の葉書など送らせて頂けば必ず電話で近況をお知らせ下さる等、とても親しくして頂いていた事への感謝を、こころに想いながら、もう、季節の絵葉書を用意する必要も楽しみも、なくなってしまったなどと、詰まらぬ事を思いながら、紅い花を見遣る。





†「宵月日和過去ログ」はこちら†

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