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UP 『“連作・修羅” 外伝5・巴』UP(5th.Nov.2022)

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Works' Short-Cut



Yoitsuki-Hiyori

10月5日
神無月。
私は子供の頃から「人と同じ」ではない事が面白い、と考える人間だったのだ、と思うのは、とても鮮明に覚えているのだけれど、幼稚園の時、ひとりひとりが、「皆さん、何色が好きですか?」と尋ねられた時の事。ほんとうに不思議な程に鮮明に覚えている、その時の自分の心情を。「どうせ女の子たちは皆、赤とかピンクとか言う。だから私は違う色を言おう。」そして、「黄色です。」と、好きでも何でもない色を堂々と言った。では本当は何色が好きだったのか、というと、特段この色が好き、というのは本当の処なかったのだ。なかったからそんな勝手な事が言えたのかも知れない。
そうしてもうひとつ。クラシック好きの父がよくかけていたレコードの中にドヴォルザークの『新世界より』があって、そろそろ中学生になろうかという兄、友人と戦争映画に行く喜びを知り、そこから音楽への愛情が目覚めて来たらしい兄がこれを気に入った事から、ことさらよく家のなかで流れるようになった。私も4楽章まで全てそらで覚えてしまった程で、どれもとても好きでもあった。或る日、私は父に訊いた、「どの楽章が一番好き?」返って来た答えは「それはもう、なんといっても2楽章やな。」私は驚いた。今、下校時に良く鳴らされる、あの郷愁を帯びた美しい曲だ。でも、当時おてんば盛りの私にはどこか少々物足りなかったのだと思う。そして私はまたここでも要らぬ考えを巡らせ、言ったのだ。「私は第3楽章!」一番、人気のない、曲だった。だから敢えて言ったのだ。1楽章も4楽章も素晴らしくて人気も絶大だった、だから敢えて避けた、ただ、それだけだった。
そんなヘンコな処から、あまり皆が聴かない音楽にハマり人生それで変わってしまったと言っても過言ではない。そしてそんな音楽のなかには今もこころ豊かに響いてくれるものが決して少なくはない。ちゃんと、「王道の良さ」も分かっているつもり、では、いる。いるけれど、うん、やっぱり、どこか、ちょっと、自意識過剰的にズレているんだろうな、と、我と我が身を面白がる、そんな初秋であります。





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