作品『秋茜のもとに』あとがき



この作品は、『潮のおと』の完全なサイド・ストーリーであり、独立 した一作品ではありません。

サイド・ストーリーや外伝と云ったものを、書けば本編の余韻を消し てしまう事になりそうで、今までどうしても書けずに来たのですが、 今回、『潮のおと』に名前だけ登場した明隆ことアキには、実は当初 から、私にしてはかなりきちんとした人物設定がなされていたので、 ちょっと勿体ないかなと、まあ、セコい考えが先に立った訳です。

『潮のおと』自体が、私の書くものにしては、随分と説明的で、 余韻等々を、あまり気にせずにいられるようにも思いました。

「秋茜」は秋に飛ぶトンボの事ですが、野球グラウンドを整地する 用具のひとつにトンボと呼ぶものがあります。これと、茜色の空を かけての、題名となりました。久々の、題名お気に入りかも!(笑)

それにしても、これって青春モノと言えばそうですよね。 自分がこの手のものを書くとは想像だにしていなかったので、 いや、自分で自分にビックリです。

アキの境遇には、実はちょっとしたモデルが居ます。 実在の人物で、年齢も酷似しているので、思い切り伏せますが。

やんちゃで一本気で単純で、気持ちの真っ直ぐなアキと、 いつもどこか、自分を押し殺しているような、ショウ。 もし、二人が偶然にでも、出会う事があれば、きっと、美味しいお酒 を酌み交わすんじゃないかな、っと、二人はまだ未成年でしたね、 おほほほほ。






back 潮のおと目次 tanpen novel home