作品『秋の花』あとがき



参加させていただいている『Original Illusion Novel』リングの 「秋のお題」が「秋の花」。秋の花……あれと、これ。と、数ある 中から曼珠沙華と菊が一番先に思いついたって、ちょっと暗いです よね、やっぱり(笑)。

この物語は短編としても短い方の癖に、生意気にも3部作となって います。それぞれに、少しずつ文体を変えてみたのですが、伝わっ ていますでしょうか……?不安。

そして、最終章にしてこの夢にも理由がある事が知れる仕掛けがあ る訳ですが、その仕掛け自体の意味が分からない、という感想を複 数人の方からいただき……慌てて一言単語を加えてみたり、最終的 には注意書きを加えるなど、非常に醜い手段を沢山取らねばならな い事となりました。大きな反省点となっています。

出征する人間は、軍隊服にゲートル姿であろう、という指摘もいた だきました。確かにそうなのでしょうが、彼はこれから家族との、 最後の食事をするのですから、その時ばかりはいつもの学生服で居 たかったのではないだろうかと考えました。それが余計に混乱の種 にもなってしまったようです。

「情けのない……」という言葉、両方に取れますよね。 「なんという、情けない夢を自分は見たんだ」という意味と、 「なんという、情けのないひどい夢であったんだ」という意味。 読まれた方は、どちらに取られたでしょうか。 どちらにも取れる、こういう言葉が実は私は大好きなんです。

様々な点で問題作となってしまった本作ですが、自分なりには、命 の在り方を、戦いという存在を、懸命に考えて、二つの秋に美しく 咲く花をめぐりながら描けたという、その点に於いては、在る程度 は頑張れたんじゃないかなあ、と思っています。 相変わらず自分に甘いなぁ(笑)。





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